2009年11月11日 (水)

メコン川開発

日本が支援するメコン川流域の開発に関する国際会議が、ベトナム、タイ、カンボジア、ラオス、ミャンマーの5カ国の首相を招いて、東京で先週行われました。鳩山首相は、この地域に今後5年間で5000億円のODAを供与すると発表したと伝えられます。

勢力を伸ばしつつある中国に対抗するかどうかは別として、この地域が、日本にとっても東南アジアの中核であることは間違いありません。

僕自身は2年前にミャンマー、今年の秋にベトナム、カンボジアに短期間行きました。主要な都市は近代的な都市になっていますが、田舎に行けば、水道や電気もないところも残っている、まだまだ無限の可能性を秘めた地域だと感じました。

また僕の知っているだけでも、ベトナムとカンボジア、タイとカンボジア、タイとミャンマーの間には歴史的に戦争が繰り返されています。

今ではASEANを構成し、関係は修復されているとはいうものの、潜在的にその記憶はいまだに刻み込まれているように思われます。

日本も支援するメコン開発計画が、万が一にも、対立を深めることがあってはなりません。相互の関係の改善に役立つように祈っています。

2009年11月10日 (火)

タイとカンボジア

カンボジアとタイの関係がこじれているようです。国境での小競り合いもありましたが、今度はタイのタクシン元首相を、カンボジアが経済顧問に任命すると発表したのに対し、タイが「内政干渉であり、タイの司法制度を否定するもの」と抗議して、カンボジアに駐在する大使を召還したそうです。対抗してカンボジアも大使を召還したと伝えられます

平和な時代においては、外交関係の断絶・大使の召還というのは、かなり厳しい敵対行為を意味しますから、事態は楽観を許さないのかもしれません。

両国はもちろん、ASEANのメンバーですから、最悪の事態に発展することはないでしょうが、背景にはタクシン政権時代に約束していたタイのカンボジア援助の継続など、根深い問題も含んでいるようですから、簡単に解決とはいかないかもしれません。

最近の国境での小競り合いが、遺跡をめぐる争いであったように記憶します。両国は、シャムとクメールの時代から攻めたり攻められたりを繰り返していますから、歴史的な因縁は浅からぬものがあるのでしょう。

10月にカンボジア・ベトナムにちょっと行きましたので、この地域に対する関心が深まりました。

2009年11月 9日 (月)

家庭内殺人

浜井浩一さんの編著になる『家庭内殺人』という本を読みました。中長期的にみれば、統計的には日本の凶悪事件は増えているわけではなく、「日本の殺人事件は、未遂も含めて近年1200件前後であり、傷害致死も1500件前後で推移しており、大きな変化はない」そうです。

そのうち、「家族を被害者とする殺人事件の割合は、1979年以降40%前後であり、大きな変化はない」ということです。

「最近凶悪事件が増えている」とか、「お腹を痛めた子供を殺すようなことは、昔はなかったのではないか」というような思いは、著者らによれば必ずしも統計的には事実ではなく、「家族の絆の崩壊」などを問題にしたいマスコミ、一部の政治家などのキャンペーンだと言うのです。

僕も、これまでになかったような事件が増えているのではないかと漠然と思っていましたが、若干浅はかであったかと反省しています。

2009年11月 8日 (日)

オペル売却撤回

決着をみたと思われていたGMのオペル売却問題にどんでん返しがあり、GMは売却を撤回すると発表しました。アメリカ政府の新車購入援助措置が切れた後の新車販売が、予想に反して落ち込むことがなかったため、自動車産業は回復に手応えを感じているようです。また欧州市場も回復がみられるようです。そのためGMは、欧州の拠点として重要なオペルの売却を撤回したものとみられます。

このニュースに対する反響が面白い。イギリスの工場労働者などの声は、どちらかといえば歓迎です。それに対して、ドイツの人々の声は反発が強いようです。詳しくは知りませんが、工場の整理計画を反映しているのでしょう。

さらに輪をかけて、ドイツ政府の反発はかなりのものです。折から再選されたメルケル首相がアメリカ上下両院で、20年前のドイツ統一に対するアメリカの支援に感謝する演説をして、喝采を浴びたばかりでした。その首相が、アメリカ政府から何も聞かされずに、帰国の飛行場に向かう車の中で第一報を聞かされたというので、ドイツ政府はカンカンです。

新生オペルに提供していた2000億円の資金を返せというのですから、当然のことはいえ、怒りのほどは推測されます。

鳩山さんにはカミカゼかもしれません。アメリカ政府が処理しなければならない難題が突発したのですから。

2009年11月 7日 (土)

MVP松井

米大リーグのワールドシリーズで、ヤンキースが42敗でフィリーズを下し、9年ぶりに優勝しました。松井秀喜選手がホームランを含む3安打で6打点の大活躍で、シリーズを通じても、3ホームラン・8打点、打率6割を越す好成績で、MVPに輝きました。

怪我もあって守れないということで、DH専念というハンディキャップを乗り越えて、抜群の成績を残したのは見事でした。打った投手も、元レッドソックスのエースのマルティネスですから、値打ちがあります。ヤンキース・スタディアムのファンも「MVPコール」をしていました。

ニューハンプシャーのメル友は、ヤンキースはホームタウンでないので知るものかと言わんばかりでしたが、松井の活躍は文句なしと言ってきました。

大リーグ中継はほとんど見ないのですが、プレーオフのゲームは力の入り方が違って、やっぱり本場という感じがします。

日本のプレーオフもなかなかの好試合を続けていますが、先取得点を挙げた方が圧倒的に有利で、そのまま勝利に結びつくゲームが多いように思います。大リーグでは3点くらいリードしても、なかなかセーフティー・リードというわけにもいかず、緊迫したゲームが続くのと、ちょっと差があるように思います。

言い古された言葉ですが、肉食系と草食系の違いが出ているようにも思えます。

2009年11月 6日 (金)

ヨーロッパ統合

難航してきたリスボン条約の121日の発効が決まりました。最後まで抵抗していたチェコの大統領が署名して、障害がなくなりました。ヨーロッパの人々の中には賛成、反対さまざまな意見があるようですが、統一ヨーロッパに向けての大きな流れは変わらなかったと考えられます。

焦点は初代のEU大統領に誰が選ばれるかなどに移り、イギリスのブレア前首相の名前が上がっていると伝えられます。大国ではなく、中小国から選ぶべきだという反対意見も強いようですから、決まってみないと分かりませんが。

いずれにしても、未曾有の金融危機に揺さぶられ、ヨーロッパ経済も難しい局面にあるようですが、統合への流れは留まりそうにありません。統一通貨ユーロも、今回の危機で、周辺国からの加入希望が出こそすれ、脱退という動きは感じられません。むしろドルと並ぶ基軸通貨としての価値を高めているように見受けられます。

各国の伝統・文化を維持しながら、政治的・経済的にはまとまって行動するというヨーロッパの流れは、今回の金融危機を乗り切って、続いていくとみられます。

鳩山さんの東アジア共同体は、まだまだスタートラインにつけそうにもありませんが、ヨーロッパの統合は、折り返し点を回ってゴールに近づいているようです。

2009年11月 5日 (木)

科学技術政策

112日の日経新聞によれば、鳩山政権は科学・技術政策を見直すそうです。首相、副首相、官房長官、文部科学大臣と関係閣僚に、理科系・工学系がそろっているのは、日本のみならず、世界的にも珍しいことでしょう。

文科系の人が科学技術政策に見識がないとは毛頭思いません。しかし、科学・技術に素養のある人が、政治的経験も加味して、大局的見地から科学・技術政策を判断されるのであれば、大いに期待したいと思います。

同じ記事には、「これまでの科学・技術政策は、科学より技術に傾き過ぎていた」との認識を首脳陣が持っていると書かれていましたが、僭越ながら僕も同様に考えてきました。

成果を経済に生かすことに重点を置くあまり、「近欲」になっていたと思います。残念ながら短期的な効果を期待することは世界的な傾向ではありますが、研究結果を経済に結びつけることは民間でもできることであり、国がするべきことは、長い目で見て社会に貢献する研究を支援することです。

2009年11月 4日 (水)

フリーランチ

菅副総理が「1円も使わずに、太陽光発電設備を増やせる」と発言したそうです。家庭での全発電を高い値段で買い取れば、太陽光発電設備の導入が進むだろうという考えです。

しかし世の中にタダで出来るものは、なかなかありません。国の資金は要らなくても、設備費用は個人の負担ですし、高い値段で電力会社が買い取るとしても、そのつけは消費者に電力料金として返ってきます。その値上げ分は、僕の知る限りでは1月数百円程度と思われますので、多くの国民は納得する範囲と言えるでしょう。全発電量に占める太陽光発電の割合が小さいため、それほど大きく響かないのです。

費用がかからないなどと大臣が言うのは、「ある程度負担してでも、温暖化防止に協力したい」と考えている国民を愚弄するものです。

30年になろうとする我が家は、方位が真南でないこともあって、設置はあきらめています。

設置した友人2人のデータを聞いて、僕が試算したところでは、電力会社に買い上げてもらった量と自家消費の節約分、合わせて毎月5千円から1万円の間、年間では10万円弱というところかと思われます。設置費用の元をとるには、20年はかかる計算になります。

さまざまな理由で太陽光発電設備を設置できない人は、電力料金で広く浅く負担するという考えは、温暖化防止の必要性を考えれば、現実的で合理的なものと考えます。

その一方で、今の住宅には設置できないが、意欲はあるという人には、出資を求めて電力会社や電池メーカーがまとめて建設・運営し、その利益を長期にわたって出資した人に還元する仕組みを考えるべきだと思います。一世代で費用が回収できないなら、相続税の負担なしで、次世代に繰り越せる仕組みにすればいいと思います。

2009年11月 3日 (火)

黒子

小泉内閣が5年の長寿を全うしたのは、首相の個人的人気もありますが、とかく暴走しがちな首相に陰でアドバイスする黒子がしっかりしていたからではないかと、密かに思っています。政権末期には、黒子が表にしゃしゃり出てくることも見え始めましたが、全体としてはうまくやった政権だと思っています。

翻って現政権で、誰がそういう役割を果たすのか、まだ見えてきません。個人というわけでもなく、グループでもいいのですが、トップに立つとなかなか耳に入りにくい情報を伝え、面を冒してでも諫言する役割は欠かせないと思います。

以前は、その役割を果たすものの第一は、官僚だったと個人的には思っています。

先日辞任した人事院総裁が、内閣に反抗したということで話題になりましたが、臍曲がりの僕は、官僚としてはある意味で筋を通したのだと思っています。

官僚の地位が、政治家などによって濫りに脅かされない公務員法の定めは、政治家の判断に間違いがあれば、面を冒して諫言する必要性を配慮したものだった筈です。

政治主導の名の下に、本来の官僚の機能が損なわれないことを祈っています。もちろん官僚に、社会のためになるなら、保身を考えずに政治家に諫言する志があっての話ですが。

2009年11月 2日 (月)

新生郵政会社

すったもんだの末、民営化郵政会社の新社長が決まりました。新社長は記者会見で「郵便局を行政の拠点として活用する」と表明したそうです。官から民に移行し、見直しはされるというものの歴とした民間会社である郵政会社が、どうして「行政の拠点」となるのか、素人には全く理解できません。あえて善意に解釈するなら、行政サービスの補助業務を受託したいというべきでしょう。

民営化する以前の官庁の時代の郵政事業の範囲をも超えるような案が、国民の理解を得られるとは到底思えませんが、ここでは基本的な問題1つを指摘したいと思います。

それは、民主党のマニフェストの1つでもある「地方分権」との関係です。郵便局が民営化されて不便になったといわれる最大の問題は、人口が減った地域におけるサービスだと思います。たとえば、郵便貯金の手続きを配達員の人に頼めなくなったといわれることなどです。

それは本質的に、極めてローカルな問題だと思います。ローカルだから問題は小さいという意味ではなく、地方の事情によって個別に対応するべき問題だと考えます。

行政サービスの一翼を担いたいというなら、全国一律を旨とする郵政会社を地域別に分社化することです。

民主党の地方分権の理念が問われていると思います。

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