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2009年2月 6日 (金)

破門

ヨーロッパが論争に揺れています。ローマ教皇ベネディクト16世が英国人の司祭の破門を解除したことが、メルケル独首相が「バチカンはもっと説明するべきだ」と批判するなど、波紋を広げています。

その司祭が、「ナチスの収容所に、ガス室はなかった。犠牲者は600万人ではなく、30万人だった」という説を唱えていたそうで、バチカンはそれを認めるものではないと否定しているようですが、ナチスの歴史には神経過敏なドイツの首相としては、見過ごせないと、敢えて異例の政治が宗教に関与する姿勢をとったようです。

歴史的には、ナチスに対してローマ教皇庁が融和的な姿勢をとったことが、ヒトラーの独裁を助長したという批判は、否定しがたいところがあるようです。当時ロシアに起こった共産主義革命の席捲を恐れたバチカンが、共産主義勢力に対抗するため、ヒトラーに期待したと言われています。

数年前にベネディクト16世が、ドイツ人として初めて教皇に選ばれたとき、その保守的な姿勢を批判する声が教会のなかにあったことを、昨年亡くなったカトリック信者の友人が教えてくれました。

その不安は、ときどきイスラーム世界との軋轢によって裏付けられました。今回はユダヤ人世界、さらにはヨーロッパ社会での波紋ということになります。やっぱり歴史問題は難しい。

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