« 演説巧者 | トップページ | ガス欠 »

2009年2月27日 (金)

謙譲の美徳

今週ニュースを賑わせた日米首脳会談で大きな違和感があったのは、「ホワイトハウスに招かれた最初の外国の賓客で、日米同盟重視の証」という枕詞です。あまり国際的なニュースにならなかったから良かったものの、もしなっていたら、世界の反発を招いたかもしれません。

よく考えてみなくても、この言葉がアメリカ側から発信されたとは思いません。万が一そうだとしたら、「大統領は超多忙で、時間は1時間しか割けないから、一番だと思って我慢してほしい」という、いわば交渉者の言い訳であって、一般にアピールするためではないでしょう。

子供だましの枕詞ではあっても、2番目、3番目に招かれる人にとっては、気持のいいものではないでしょう。僅かでもマイナスがあるとすれば、アメリカが大きく宣伝したい言葉とは考えられません。そう考えて、日本のマスコミが自己満足しているようなので、大統領も使ったということでしょう。

我ながら歳をとったと思いますが、それを聞いていると、二世代くらいの間に、「謙譲の美徳」という言葉も死語になったのかと感じます。「日本が重要だから、一番に」と本心から言われたとしても、昔の日本人なら、「いやいやそんなことは」と2,3回繰り返して、それでもまだ言われるのなら、「有難うございます」と、さらっと感謝するだけだったでしょう。ましてや、自分から宣伝するとは!

« 演説巧者 | トップページ | ガス欠 »

経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 演説巧者 | トップページ | ガス欠 »

無料ブログはココログ