教養
今月のはじめだったと思いますが、テレビのニュースで、経済同友会が「高校卒業までに教養を教える必要がある。そのための時間がないなら、大学の入学を9月に遅らせ、その間に教えるのも一案だ」という内容でした。
そもそも教養とは、あまり必要性も感じていない人に、教えるものかという疑問を感じ、さらには18歳の若者に数か月教えて身につくものかと思いました。
そこで、インターネットで経済同友会の提言を見たら、中味はだいぶ違っていました。経済同友会は18歳成人説を提唱しているようで、そのために18歳で一人前の社会人としてやっていける「教養」を教えるということのようです。大学入試問題などを含めて、小中学校、高校、大学までの日本の教育問題に関する提言のように、斜めに読んだ範囲では思いました。
確かに18歳を成人とするには、ふさわしい「教養」を身につける必要があるかもしれません。しかし個人的には、それは教養というよりは、「常識」に近いものだと考えます。50年前とは違うと思いますが、それは社会とか公民とかの教科でカバーされるものだと思います。18歳の春にまとめて教えるのではなく、中学・高校6年間でしっかりと身につけさせるものだと思います。
9月新学期説が安倍内閣のときから浮かんだり消えたりしています。一般論としは、日本独自のシステムの根拠の疑わしいものは、世界に合わせるべきだと考えますが、この問題については、予想される国内の混乱を押してまで、合わせる理由が分かりません。
海外から、あるいは海外への留学生に便利だと言われますが、少なくとも日本に来る人は、日本語の習得をはじめとして、日本の環境に合わせるための貴重な時間なのではないでしょうか。経済界には、留学生が早くそれらを身につけるためのインフラの整備に貢献されることを期待したいと思います。
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