文化財の保存
丸の内の郵便局の建て替えが論議を巻き起こしたと思ったら、今度は横浜の住友別邸が焼失するという事故が起こりました。これも昭和期のモダニズム建築として、文化財の指定を受けていたようです。
文化財を後世に残すことの難しさを改めて感じさせられます。形あるものの「滅せぬことのあるべきや」と、時代がかったセリフを言うつもりはありませんが、無くなることへの覚悟、備えをしておくべきではないかと思います。
安直な考えかもしれませんが、考えられる第一の手段は、徹底的な記録を残すことではないでしょうか。この情報技術の時代ですから、最新の映像化技術などを使えば、かなりのことはできるでしょう。
高松塚の壁画が、古墳をあけたときからカビなどが入り込んで、消失したというニュースを聞いた時、文化庁の総辞職にもつながるほどの大失態と思いました。同時に、まさか文化庁はキチンと壁画の記録を取っているだろうと思いました。残念ながら報道はなく、まだ安心させてもらっていませんが。
早稲田大学の吉村教授のエジプト遺跡発掘に参加した女性研究者の本を読んだことがあります。「遺跡の発掘は破壊調査である。後世の研究者に正確な記録を残すべく、細心の注意を払っている」と書かれているのに、感銘を受けた覚えがあります。文化庁はもちろん百も承知で、万全の記録を残していると信じていますが。
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