DNA
DNA鑑定は時効制度見直しの有力な根拠になるほど、刑事捜査に欠かせないものになりましたが、フランスでは問題が持ち上がっているそうです。連続凶悪事件の犯人のものと思われていたDNAの痕跡が、サンプル採取用の綿棒を製造していた人のものらしいということで、捜査が振り出しに戻ったそうです。
もちろんこれはDNA鑑定の本質に疑問が呈された訳ではありません。極微量のサンプルで、個人を特定できるという意味では、他に例を見ない優れた方法であることは間違いありません。
問題は、分析にかけるまでの手順です。いかなるハイテクの分析手段といえども、その過程にはローテク部分を含んでおり、そこで欠けるところがあれば、力を発揮できません。むしろ手段が鋭利であるほど、手順が誤ったときの誤差は深刻ともいえます。
今回のフランスの事例は、DNA鑑定という手段を闇雲に万能だという信仰に警鐘を鳴らすものと考えるべきでしょう。
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