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2009年4月25日 (土)

エコの効果

日立の冷蔵庫の断熱材リサイクルの虚偽広告の問題が、僕には分かりません。なぜ嘘をついたかということよりも、どうしてそういう技術開発に取り組んだのか、根本的な考え方が理解できないのです。

最近は冷蔵庫も大型化し、消費電力はおおよそ400kWh/年、平均寿命が10年とすれば消費電力の総量は4000kWhと思われます。炭酸ガスの排出量に換算すると、1.6トンほどになります。

それに対して冷蔵庫に使われている断熱材は、せいぜい10kgくらいのものでしょう。製造時の炭酸ガス排出量に比べ、使用時の炭酸ガス排出量は、2桁も大きいのです。

冷蔵庫に必須の技術は、ポンプ・モーター・冷凍機などでしょうが、日立、東芝など大手の電機会社にとっては、磨き抜かれた技術で、高性能の冷蔵庫を開発するポイントは、何をおいても断熱性能でしょう。化学屋として言わせてもらえば、断熱性能を左右する発泡技術は、いかに揃った独立気泡を作るかなど、高度な技術を必要とするものです。

リサイクル材料で取り組むべきものか、個人的には疑問です。リサイクルするなら、もう少し難度の低い分野をターゲットに選ぶべきだと思います。

エコも結構ですが、払う労力に比べて、効果の大きいものを選ぶ必要があります。日立のような立派な会社が、どうして信じられない目標設定をしたのか、いくら考えても分かりません。

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