期待と幻想
TPP交渉参加に関してアメリカとの合意ができたということで、安倍首相は「日本が主導権をとれるように頑張る」と語ったと伝えられます。その意気や壮というべきですが、若干現実離れしていると言わねばなりません。遅れて飛び乗って、関税撤廃の主張にも迫力を欠く日本が主導権を取れるとは思えません。もともと出来もしない目標に全力を尽くしますと約束する政治家もお粗末ですが、背景には景気のいい話を期待する国民の願望もあるのでしょう。TPPは短期的に成果が出る問題でないとはいうものの、その交渉は長期的かつ抽象的な目標の話ではなく、直面する具体的な話ですから、幻想を抱くことは百害あって益のない話だと考えます。
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