義理と人情
歌舞伎が好きだったお婆ちゃんのお供で、子供の頃『仮名手本忠臣蔵』を見に行った記憶がありますが、先日見た『伊賀越道中双六』も、同じく鎌倉鶴岡八幡宮の場から始まります。「仇討物」の定番なのでしょうか。
物語の前半部分しか観ておらず、クライマックスへの伏線のようなエピソード中心かと思いましたが、それらを通じて感じたのは、「義理と人情」です。自分の命を捨てて仇の居所を聞き出すとか、仇討への口実を作り出すため駆け落ちまでした女房を離別するなど、かなり技巧的なストーリーで、実際にあった話とはとても思えませんでしたが、300年前の人には素直に受けたのかと思うと、感慨深いものがありました。日本人の心情にマッチするものとしてこうした物語が考案されたのか、それとも、こうした物語が人々の「義理と人情」に厚い心を育んだのか、おそらくは双方向の作用なのでしょう。
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