TPP交渉
先週のシンガポールでの閣僚交渉は不調に終わりました。特定の品目について3桁の関税を聖域として残したいというわが国の希望が、関税原則撤廃を目指すTPPとは両立しがたいのは、当然といえば当然でしょう。本当に交渉を成立させようと思うなら、政治家は「努力を重ねたが、この項目については譲歩もやむを得ないと考えている。国民の皆さん、理解してほしい」と呼びかけるべきでしょう。
国民に不人気なところはあっても、総合的に考えて採るべき政策であるなら、敢然として国民に呼びかけ理解を求める姿勢が、近年の政治リーダーにまったく見られないのは残念なことです。「国益」などという、ある意味では定義不明瞭な言葉を繰返すのはやめるべきです。
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