結晶性シリカパウダー

先日中央自動車道が土砂崩れによって一時不通になった事故について、その原因は崖の上にあった陶器原料工場の廃棄物が大雨で流れた汚泥にあったようです。そして1週間ほどたって、原因となった陶器原料には結晶性シリカパウダーが含まれ、それを吸い込むと発がんの可能性があり、学童の通学にマスクをさせているというニュースが明らかになりました。事故直後から発がん性が噂されましたが、シリカとは意外な結果でした。

シリカ（酸化ケイ素）はもっともありふれた土や砂の主成分で、化学物質として発がん性があるとは信じられません。もはや化石となった化学屋が思うのは、化学的な意味での発がん性ではなく、アスベスト同様の粒子が細かく、吸い込まれた肺の細胞を傷つけることによって、発がん性が考えられるのだろうということです。正しい情報を提供して、必要以上に恐れず対処することがこの場合も必要かと思います。