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2018年4月19日 (木)

模写

僕が模写に興味を持ったのは、30年ほど前に巨額の富を稼いだ日本の実業家が、ゴッホの『医師ガシェの肖像』を落札し日本に持ち帰って自宅に飾り、あまつさえ「自分が死んだら一緒に燃やしてほしい」と言ったという話があり、国辱ものと思ったことにありました。

それなら自分で模写したらどうだと考え、思い出す限りで、ゴッホの『医師ガシェの肖像』、『ひまわり』、ダヴィンチの『モナリザ』、ミレーの『落穂ひろい』、セザンヌの『セントヴィクトワール山』、『静物』、ドラクロアの『ショパンの像』、『旗を振る自由の女神(部分)』などを描いた経験があります。そのとき知らされたのは、出来るだけ原寸に近いサイズで描くことが大切だということです。原画の大きいものを縮小して描くと、ほとんど雰囲気は伝わりません。ただドラクロアの『自由の女神』などは、女神も傍らの少年も顔の細部は書き込まれておらず、そこだけを取り出すとあまり印象に残らない絵になってしまいます。大塚美術館では原寸にこだわって作られたと書かれており、わが意を得る思いがしました。

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