ブロック塀再論
北大阪地震から1週間経ちましたが、高槻で登校中の小学生の命を奪ったブロック塀の倒壊の余波が続いています。危険な個所を一刻も放置できないというのは当然のことですが、総理大臣が現場を訪問し、大臣が全国に対策を指示するというのも、少しバランを欠いているようにも思えます。高槻市の教育委員会が一応の検査をして安全だと判定していたことが明らかになったことでもわかるように、ピントが外れたところを探していたのでは、正解に到達するのは容易ではありません。
今回の寿栄小学校のブロック塀の危険性の問題は、作り方に手抜きがあったとか、劣化が進んでいたとかにあるのではなく、高さそれ自体が危険な高さであったからではないでしょうか。マスコミでは検査に当たった人が高槻市で建築関係の仕事をしているものの、建築士の資格を持っていなかったことを盛んに書き立てています。塀の欠陥を見逃したというなら別ですが、高さそのものが道路側から見て法律を遥かに超えていることが最大の問題点ですから、専門の資格もさることながら、問題意識の方が重要だったのでしょう。
建築の専門知識を問うならば、プールの建設に当てはまるのかどうか知りませんが、プールを造ったときの設計がどうなっていたのかが気になります。目隠しの塀も必要になることを考えれば、かなりの高さになることは予想されたはずで、控え壁をつけなければならないとすれば、思い切ってその分を道路からセットバックして校庭を削っておく必要もあったのではないでしょうか。それが難しければ、多少コストはかかっても技術的に強度の高い塀の構造にする必要があったのでしょう。
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